花を楽しむ、なごみの宿

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2026.07.23  スタッフブログ

夫婦で温泉旅行へ出かけたいと思っても、「どのような宿なら2人でゆっくり過ごせるのだろう」「温泉以外の予定も入れた方がよいのだろう」と迷う方もいるのではないでしょうか。せっかくの旅行でも、移動や観光の予定を詰め込みすぎたり、どちらか一方の希望だけで宿を選んだりすると、落ち着いて過ごせないことがあります。

 

今回の記事では、夫婦で泊まる温泉宿と旅行先の選び方、現地でのおすすめの過ごし方、予約前に押さえておきたい準備を紹介します。客室や温泉、食事、周辺環境に目を向けることで、2人の希望に合う旅行を計画しやすくなります。記念日や日頃の疲れを癒やす旅を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

夫婦で泊まる温泉宿の選び方

夫婦の温泉旅行では、有名な宿かどうかだけでなく、2人がどのように過ごしたいかに合う宿を選ぶことが大切です。客室、温泉、食事、宿泊プランを同じ基準で比べると、希望に近い宿を見つけやすくなります。

まずは、予約前に見ておきたい4つのポイントを紹介します。

観点 確認するポイント
客室 広さ・寝具(布団/ベッド)・くつろぐ場所・眺め
貸切風呂・客室風呂 有無・利用料・予約方法・湯が温泉かどうか
食事 料理の内容・食事場所(部屋食/個室/食事処)・開始時間
予算・プラン 料金に含まれる範囲・特典・キャンセル料

 

2人でくつろげる客室

客室は、旅行中に長く一緒に過ごす場所の1つです。広さだけを見るのではなく、椅子やソファがあるか、寝具は布団とベッドのどちらか、窓からどのような景色が見えるかまで確かめておきましょう。畳の部屋で足を伸ばしたい方もいれば、ベッドの方が立ち座りしやすい方もいます。

就寝時間など生活リズムが異なる夫婦には、寝室とくつろぐ場所が分かれた客室も便利です。片方が早く休みたいときでも、照明や物音を気にせず過ごしやすくなります。部屋の写真だけで判断せず、間取りや設備、禁煙・喫煙の条件にも目を通すことで、到着後の行き違いを減らせるでしょう。

 

貸切風呂や客室風呂の有無

夫婦で同じ温泉を楽しみたい場合は、貸切風呂や温泉付き客室の有無を確認しましょう。男女別の大浴場では入浴中に別行動となりますが、夫婦で利用できる貸切風呂なら、会話を楽しみながら一緒に温泉へ入れます。人目を気にせず過ごしたい方や、大浴場の混雑を避けたい方にも向いています。

貸切風呂は宿泊料金とは別に利用料がかかる場合があり、利用時間や予約方法も宿によって異なります。客室風呂についても、すべてが温泉とは限らないため、湯の種類を確かめることが必要です。希望する時間がある場合は、宿泊予約と同時に申し込めるかも見ておきましょう。

 

食事の内容と食事場所

温泉旅行では、夕食や朝食も宿選びを左右します。会席料理、量を抑えた献立、地域の食材を生かした料理など、宿泊プランによって内容が異なるため、2人の好みに合うものを選びましょう。お酒を楽しみたい、品数よりも質を重視したいなど、食事に求めるものを先に話しておくと選びやすくなります。

食事場所にも目を向けておきたいところです。部屋食や個室食事処なら周囲を気にせず話しやすいものの、対応できる組数や人数には限りがあります。食事処を利用する場合は、席の雰囲気と夕食の開始時間まで見ておくと、当日の流れをイメージしやすくなります。

 

予算に合う宿泊プラン

宿泊料金を比べるときは、表示された金額だけでなく、食事や温泉設備、特典がどこまで含まれているかを見ることが大切です。客室風呂付きの部屋や記念日向けのプランは、設備や特典の内容によって料金が変わります。貸切風呂や飲み物などが含まれていれば、現地での追加費用を抑えやすくなるでしょう。

一方、利用しない特典が多いプランを選ぶと、割高に感じるかもしれません。宿泊費、交通費、観光やお土産の予算を大まかに分け、2人が重視する項目へお金をかけると、満足度を高めやすくなります。キャンセル料が発生する時期も予約前に確認しておけば、予定変更が生じた際にも慌てずに済みます。

 

夫婦の温泉旅行先を選ぶポイント

宿の条件と同じくらい、温泉地までの移動や周囲の雰囲気も旅行の心地よさを左右します。人気だけを基準にせず、出発地や旅行時期、2人が現地で何をしたいかを踏まえて候補を比べましょう。

現地で確保できる滞在時間も考えながら、次の3つを軸に選ぶことが大切です。

 

移動負担の少ないアクセス

短い旅行では、移動時間が長すぎると宿で過ごせる時間が少なくなります。1泊2日なら、自宅から宿までの所要時間だけでなく、乗り換え回数や最寄り駅からの移動方法も確認しましょう。車で出かける場合は、高速道路を降りてからの距離、駐車場の有無、冬季の道路状況も判断材料になります。

どちらか一方だけが運転する予定なら、休憩場所を多めに決めておくことも大切です。公共交通機関を使う場合は、送迎サービスの有無や予約条件を調べると、荷物を持った移動を減らせます。遠方の有名温泉地にこだわらず、無理なく到着できる場所を選ぶと、チェックイン後も穏やかに過ごせるでしょう。

 

2人の希望に合う温泉地の雰囲気

温泉地には、にぎやかな温泉街、自然に囲まれた静かな場所、観光施設が集まる地域など、それぞれ異なる特徴があります。食べ歩きや買い物を楽しみたい夫婦と、宿からほとんど出ずに休みたい夫婦では、適した旅行先も変わります。現地での理想の過ごし方を話し合ってから選びましょう。

温泉街の規模や営業時間も見ておきたいポイントです。夕食後に散歩したいと思っても、周囲の店舗が早く閉まる地域もあります。一方、夜の人通りが少ない静かな環境を魅力に感じる方もいるでしょう。便利さだけでなく、2人が心地よいと感じる雰囲気を基準にすることが大切です。

 

旅行時期に合う季節の魅力

同じ温泉地でも、訪れる季節によって景色や楽しみ方は変わります。春の花、初夏の新緑やホタル、秋の紅葉、冬の澄んだ空気など、時期ならではの魅力を調べてみましょう。旬の食材を使った料理や季節限定の催しが、旅行先を選ぶきっかけになることもあります。

ただし、連休や紅葉の見頃などは混雑しやすく、宿泊料金が上がる場合があります。静かに過ごしたい夫婦は、人気の時期から少しずらす方法も検討できます。天候や日没時刻、積雪の可能性まで踏まえて計画すると、その季節に合った過ごし方を選びやすくなります。

 

夫婦で楽しむ温泉旅行の過ごし方

夫婦の温泉旅行は、観光地を数多く回ることだけが楽しみではありません。温泉へ入る時間、土地の料理を味わう時間、何もせずに話す時間も旅の大切な思い出になります。

2人の体調や気分に合わせながら、宿で過ごす時間と外へ出かける時間の両方を楽しみましょう。

 

時間帯を変えて楽しむ温泉

宿泊するからこそ、夕方、夜、朝と時間帯を変えて温泉を楽しめます。到着後は移動の疲れをほぐし、夕食後は落ち着いた雰囲気を味わい、翌朝は澄んだ空気の中で入浴するなど、同じ浴場でも印象が変わります。露天風呂では、空の色や庭の景色の移ろいも感じられるでしょう。

何度か温泉を楽しむ場合も、1回ごとの入浴を長くしすぎないことが大切です。入浴前後に水分を取り、体調に合わせて休憩を挟みましょう。また、夫婦で入浴回数の希望が違っても、無理に合わせる必要はありません。片方が温泉に入っている間、もう片方は客室で休むなど、それぞれのペースを尊重できます。

 

土地の味覚を楽しむ食事

旅先の食事では、その土地で採れた野菜や肉、近隣から届く魚介、季節の食材など、普段とは異なる味に出会えます。料理の説明に耳を傾けながら一品ずつ味わうと、土地の文化や季節も身近に感じられるでしょう。食事を急がず、会話を楽しめることも夫婦旅行ならではです。

夕食だけでなく、朝食にも地域らしさが表れることがあります。宿の料理に加えて、温泉街の喫茶店や地元のお店へ立ち寄るのもよいでしょう。ただし、食事の予定を増やしすぎると、宿の料理を十分に味わえないことがあります。夕食の開始時間や量を考えながら、現地で食べたいものを選んでください。

 

温泉街や周辺観光の散策

温泉街の散策は、長距離を移動せずに土地の雰囲気を味わえる過ごし方です。足湯や神社、昔ながらの商店、地域の工芸品を扱う店などを巡れば、宿の中とは違った時間を楽しめます。目的地を細かく決めず、気になる場所へ立ち寄りながら歩くのもよいでしょう。

周辺観光へ出かける場合は、移動時間と宿へ戻る時刻を考えて予定を組みます。チェックイン前や翌日のチェックアウト後に観光をまとめると、宿での滞在時間を確保しやすくなります。2人の興味が分かれる場合は、短時間だけ別行動にするなど、柔軟に過ごす方法もあります。

 

客室でゆっくり語らう時間

温泉や食事を楽しんだあとは、客室でお茶を飲みながらゆっくり過ごしてみましょう。普段は仕事や家事に追われ、落ち着いて話す時間を取りにくい夫婦でも、旅先では日常の用事から離れやすくなります。最近の出来事や次に行きたい場所など、無理に特別な話題を用意する必要はありません。

会話を続けることだけが正解ではなく、同じ部屋で読書をしたり、庭や景色を眺めたりする時間も心地よいものです。早めに休み、翌朝の温泉や朝食をゆっくり楽しむ過ごし方もあります。2人がそれぞれ自然体でいられる時間を大切にしてください。

夫婦の温泉旅行で後悔しない準備

温泉旅行を気持ちよく楽しむには、予約前の相談と宿への連絡が欠かせません。細かな予定をすべて決める必要はありませんが、旅行の目的や食事に関する条件、移動にかけられる時間は共有しておきましょう。

最低限の準備を整えつつ、当日に行動を選べる余地も残しておくことが大切です。

  • 旅行の目的と優先順位を2人で決める
  • 食事制限や要望を宿へ事前に伝える
  • 移動と滞在に余裕を持たせる

 

旅行の目的と優先順位の共有

同じ温泉旅行でも、記念日を祝いたい、疲れを癒やしたい、観光を楽しみたいなど、目的は夫婦によって異なります。予約前に、今回の旅行でもっとも大切にしたいことを1つか2つ決めておきましょう。希望をすべて盛り込むより、優先順位をつけた方が宿やプランを選びやすくなります。

例えば、温泉を重視するなら貸切風呂や客室風呂、食事を重視するなら料理内容や食事場所を中心に比較できます。記念日であれば、ケーキや花、写真撮影などの相談に対応しているかも確かめたいところです。片方だけで決めず、お互いに譲れない条件を1つずつ出すと、納得できる計画になりやすいでしょう。

 

食事制限や要望の事前連絡

食物アレルギーがある場合は、予約時または宿が指定する期限までに伝えてください。原因となる食材だけでなく、だしや調味料に含まれる成分、調理器具の共有を避ける必要があるかまで具体的に伝えることが大切です。苦手な食材については、食べられない範囲を分けて伝えると、宿側も対応の可否を判断しやすくなります。

食事量を少なめにしたい、椅子席を希望したい、記念日の演出を相談したいといった要望も、早めに伝えると対応できるか確認できます。ただし、すべての希望が必ず受け入れられるわけではありません。宿からの回答を踏まえ、難しい場合は別のプランも検討しましょう。

 

余裕を持たせた旅行日程

温泉旅行では、チェックイン開始時刻に近い時間へ到着できると、宿での滞在を楽しみやすくなります。途中で渋滞や交通機関の遅れが起きても慌てないように、乗り継ぎや休憩時間には余裕を持たせましょう。夕食の最終開始時刻も事前に確認しておく必要があります。

観光予定は1日に詰め込みすぎず、立ち寄る場所を絞ることが大切です。疲れが出たときに予定を減らせるよう、必ず行きたい場所と、時間があれば寄りたい場所を分けておくと安心です。翌日も早朝から動き続けるのではなく、朝食や朝風呂を楽しめる時間を残しておきましょう。

 

湯郷温泉で楽しむ夫婦の温泉旅行

岡山県美作市の湯郷温泉は、温泉街の散策と宿での休息を組み合わせやすい旅行先です。季譜の里へは、岡山駅から宇野バスで約90分、大阪から高速バスで約2時間30分ほどでお越しいただけます。

宿を中心にした短い旅行でも土地らしさに触れられる、湯郷での過ごし方を紹介します。

 

湯郷温泉の街歩きと周辺観光

湯郷温泉では、温泉街を歩きながら、からくり時計や湯神社などへ立ち寄れます。無料の足湯「ふれあいの湯」もあり、長い観光コースを組まなくても、2人で気軽に散策を楽しめます。利用時間や営業状況は変更される場合があるため、訪れる前に公式情報をご確認ください。

少し足を延ばしたいときは、温泉街や周囲の山並みを望む大山展望台も候補になります。時期や天候によって景色が変わるため、当日の空模様を見ながら決めると安心です。チェックイン前や翌朝に短い散策を加えることで、宿での時間を保ちながら湯郷温泉の雰囲気にも触れられます。

 

季譜の里で過ごす夫婦の時間

季譜の里では、和室や和室ツイン、露天風呂付客室、温泉スイートなど、過ごし方に合わせた客室をご用意しています。夫婦で一緒に温泉を楽しめる貸切露天風呂のほか、客室風呂を備えた温泉スイートや露天風呂付客室もございます。館内には季節の花を随所に生けており、宿にいながら四季の移ろいを感じていただけます。

お食事は、旬の食材を生かした会席料理を中心に、量や内容の異なる献立をご用意しています。客室、温泉、料理のどれを重視するかに合わせて宿泊プランを選べるため、記念日の旅行にも、日常から離れてゆっくり休む旅にもご利用いただけます。2人の希望に合う過ごし方を、予約前にゆっくりご検討ください。

 

まとめ | 夫婦に合う温泉宿で2人の時間を楽しもう

夫婦の温泉旅行では、客室や温泉設備、食事、宿泊プランを比べ、2人が大切にしたいことに合う宿を選ぶことがポイントです。旅行先までの移動負担や温泉地の雰囲気、訪れる季節も確認しておけば、到着後に落ち着いて過ごしやすくなります。現地では温泉や食事、街歩きだけでなく、客室で何気なく過ごす時間も大切にしましょう。

湯郷温泉の季譜の里では、露天風呂や貸切露天風呂、趣の異なる客室、旬の食材を生かしたお料理をご用意しています。記念日を祝う旅行にも、日常から少し離れて休む旅にも、2人に合った滞在をご提案いたします。夫婦で心ほどける温泉旅行をお考えの際は、ぜひ季譜の里へお越しください。

 

季譜の里の宿泊プランを見る

2026.07.23  スタッフブログ

温泉に入ると体が温まり、気持ちまでほぐれるように感じるものの、「実際にはどのような効果があるのだろう」「泉質によって違いはあるのだろう」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。温泉の働きは、お湯の温かさだけで決まるものではありません。水圧や浮力、含まれる成分、日常から離れた環境など、複数の要素が重なって心と体に働きかけます。

 

今回の記事では、温泉で期待できる心身への働き、泉質ごとの特徴と主な適応症、安全に楽しむための入浴方法をわかりやすく解説します。それぞれの違いを知っておくことで、目的や体調に合った温泉を選びやすくなり、旅先での時間もより心地よいものになるでしょう。温泉旅行を計画している方や、温泉の効果を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

温泉で期待できる心と体への効果

岡山の温泉旅館 季譜の里の男性大浴場 広々とした湯浴み場

温泉の心地よさには、泉質だけでなく、お湯の温度や水中で体にかかる圧力、浮力なども関係しています。さらに、普段とは異なる環境で過ごすことが、気分転換や休息につながる場合もあります。

まずは、泉質を問わず期待できる温泉の主な働きを解説していきます。

 

温熱作用による血行促進と冷えの緩和

温かい湯に浸かると皮膚の血管が広がり、血流が促されます。血液が体内を巡りやすくなることで、冷えや筋肉のこわばりの緩和につながることがあります。体が温まるにつれて力が抜けやすくなり、入浴後に心地よい感覚を得られる方も多いでしょう。

ただし、熱い湯へ長く入るほど効果が高まるわけではありません。高温の湯や長時間の入浴は、心臓や血管に負担をかけ、のぼせや脱水を招くおそれがあります。冷えが気になる場合も、短時間で急激に温めようとせず、心地よいと感じる温度でゆっくり入浴することが大切です。

 

水圧・浮力作用による体への負担軽減

浴槽へ入ると、体には水圧がかかります。この水圧によって手足にたまった血液が心臓へ戻りやすくなり、血液の循環を助ける働きが期待できます。一方、水中では浮力が働くため、陸上にいるときよりも関節や筋肉にかかる負担が軽くなります。

湯に浸かったときに肩や腰の力を抜きやすく感じるのは、浮力の影響によるものです。ただし、水圧は心臓や肺にも影響を与えるため、全身浴がすべての方に適しているとは限りません。心肺機能が低下している方には、全身浴よりも半身浴や部分浴が望ましいとされています。

 

温泉地の環境による心身のリラックス

温泉旅行では、入浴そのものに加えて、普段とは違う景色や静かな時間、食事や睡眠を含む生活リズムの変化も心身に影響します。日常の仕事や家事からいったん距離を置き、自然や土地の空気に触れることが、気分転換につながる場合もあります。

温泉療養の効用は、温泉成分や温熱などの作用だけでなく、温泉地の地勢や気候、生活リズムの変化による心理的な反応を含む総合的なものとされています。入浴だけを目的にせず、食事や休息にも十分な時間を取り、予定を詰め込みすぎないことが心地よい滞在につながるでしょう。

 

泉質別にみる温泉の効能と適応症

温泉のうち、一定の温度や成分量を満たし、療養に役立つ泉質を持つものは「療養泉」と呼ばれます。療養泉には共通する一般的適応症のほか、泉質ごとに異なる泉質別適応症があります。適応症は、温泉に入れば病気が必ず治ることを示すものではありません。

治療中の方は医師の指示を優先し、浴場に掲示された温泉分析書や注意事項も確認してください。

 

まずは、療養泉10種類の特徴と主な浴用の適応症を一覧で確認しましょう。なお、飲泉には浴用とは別の方法や注意事項が定められており、飲用が認められた場所で、施設の掲示や医師の指導に従うことが必要です。

泉質 主な特徴 主な浴用の適応症
単純温泉 成分が薄く、湯ざわりが穏やか 自律神経不安定症、不眠症、うつ状態
塩化物泉 湯冷めしにくい「熱の湯」 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
炭酸水素塩泉 肌がなめらかになる「美人の湯」 きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
硫酸塩泉 陽イオンで種類が分かれる きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
二酸化炭素泉 気泡が肌につく「泡の湯」 きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症
含鉄泉 空気に触れ黄褐色・赤褐色に変化 浴用の泉質別適応症は定めなし(飲用で鉄欠乏性貧血)
酸性泉 刺激が強く、肌への注意が必要 アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常、表皮化膿症
含よう素泉 空気に触れ黄色みを帯びることがある 浴用の泉質別適応症は定めなし

(飲用で高コレステロール血症)

硫黄泉 独特の香り、白濁のこともある アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症

(硫化水素型は末梢循環障害も)

放射能泉 ラドンを含み「ラドン泉」とも呼ばれる 高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎 など

 

単純温泉の特徴と適応症

単純温泉は、温泉水1kgに含まれる溶存物質が1,000mg未満で、泉温が25℃以上の温泉です。pH8.5以上の場合は、アルカリ性単純温泉に分類されます。含有成分の濃度が低く、比較的刺激が穏やかとされる泉質です。

浴用の泉質別適応症には、自律神経不安定症、不眠症、うつ状態が挙げられています。刺激が少ないとされる湯でも、体への負担は湯温や入浴時間に左右されます。入りやすさだけで判断せず、その日の体調に合わせて楽しみましょう。

塩化物泉の特徴と適応症

塩化物泉の主成分は、塩化物イオンです。湯に含まれる塩分が皮膚の表面に付着し、水分の蒸発を抑えるため、入浴後も温かさが続きやすいとされています。体を温める特徴から、一般に「熱の湯」と呼ばれることもあります。

浴用の泉質別適応症は、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症です。ただし、出血や炎症が強い傷があるときは、入浴を避けた方がよい場合もあります。塩分が肌にしみることもあるため、強い刺激を感じた際は湯から上がり、必要に応じて洗い流しましょう。

 

炭酸水素塩泉の特徴と適応症

皮膚表面の角質をやわらかくするのが、炭酸水素塩泉の特徴です。入浴後に肌がなめらかに感じられることから、温泉地によっては「美人の湯」と呼ばれる場合もあります。ただし、肌の感じ方には個人差があり、入浴だけで美容効果が保証されるものではありません。

浴用の泉質別適応症は、きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症です。入浴後に乾燥を感じる場合もあるため、肌の状態に応じて保湿するとよいでしょう。タオルで強くこすらず、水分をやさしく拭き取ることも肌への負担を抑えるポイントです。

硫酸塩泉の特徴と適応症

硫酸塩泉は、硫酸イオンを主成分とする泉質です。含まれる陽イオンによって、ナトリウム硫酸塩泉、カルシウム硫酸塩泉、マグネシウム硫酸塩泉などに分けられます。同じ硫酸塩泉でも成分の組み合わせや濃度が異なるため、湯の特徴は施設によって一様ではありません。

浴用の泉質別適応症は、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症です。泉質名だけで湯の性質が決まるわけではないため、成分量やpH、湯温といった条件によっても入り心地は変わります。

二酸化炭素泉の特徴と適応症

二酸化炭素泉は、温泉水1kgに遊離二酸化炭素を1,000mg以上含む泉質です。入浴すると細かな気泡が肌につくことがあり、「泡の湯」と呼ばれる場合もあります。二酸化炭素が皮膚から吸収されて血管の拡張に働きかけるため、比較的ぬるい湯でも温かく感じやすいことが特徴です。

浴用の泉質別適応症には、きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症が挙げられています。ただし、浴槽内に気泡が見える温泉のすべてが二酸化炭素泉とは限らず、気泡は湯温や配管の状態によっても生じます。見た目だけで泉質を判断しないようにしましょう。

 

含鉄泉の特徴と適応症

含鉄泉は、鉄イオンを一定量以上含む泉質です。湧き出した直後は透明でも、空気に触れて鉄分が酸化すると、黄褐色や赤褐色へ変化することがあります。色のついた湯をすべて含鉄泉と判断できるわけではありませんが、空気に触れたあとの色の変化は代表的な特徴の1つです。

含鉄泉には、浴用に固有の泉質別適応症は定められていません。鉄欠乏性貧血は飲用の適応症として挙げられていますが、含鉄泉へ入浴することで貧血が改善するという意味ではないため、浴用と飲用を混同しないようにしましょう。

酸性泉の特徴と適応症

酸性泉は、水素イオンを一定量以上含む泉質です。酸味を感じることがあるほか、酸性が強いため、皮膚や粘膜への刺激に注意する必要があります。肌が敏感な方や、高齢で皮膚が乾燥しやすい方には適さない場合もあるため、刺激や痛みを感じたときは早めに湯から上がりましょう。

浴用の泉質別適応症には、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常、表皮化膿症が挙げられています。ただし、症状が強く出ている時期や皮膚に炎症がある場合は、入浴が適さないこともあります。皮膚疾患などで通院している方は、事前に医師へ相談してください。

含よう素泉の特徴と適応症

含よう素泉は、よう化物イオンを一定量以上含む泉質です。非火山性の温泉に見られることがあり、湧出したあとに空気へ触れると、黄色みを帯びる場合があります。含よう素泉には、浴用に固有の泉質別適応症は設定されていません。

高コレステロール血症は飲用の適応症として挙げられていますが、よう素は甲状腺の働きに関係する成分です。甲状腺機能亢進症がある方など、飲用を避ける必要がある場合もあります。浴槽の湯を自己判断で飲まず、飲泉を希望する際は施設の案内や医師の指示に従いましょう。

硫黄泉の特徴と適応症

硫黄泉は、総硫黄を一定量以上含む泉質です。独特の香りや白く濁った湯を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、温泉の状態によっては無色透明の場合もあります。香りや色だけで泉質を判断することはできません。

浴用の泉質別適応症は、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症です。硫化水素型の硫黄泉では、末梢循環障害も加わります。一方、皮膚や粘膜が過敏な方、高齢で皮膚が乾燥しやすい方には適さない場合があるため、体質に不安があるときは無理をしないようにしましょう。

放射能泉の特徴と適応症

放射能泉は、ラドンを基準量以上含む療養泉です。温泉地や施設によっては「ラドン泉」などと案内されることもありますが、名称だけで成分や入浴の適否を判断することはできません。実際に入浴する際は、施設に掲示された温泉分析書や注意事項を確認しましょう。

浴用の泉質別適応症には、高尿酸血症、関節リウマチ、強直性脊椎炎などが挙げられています。ただし、症状や病気の状態によっては入浴が適さない場合もあります。治療中の方は、主治医の判断を優先してください。

温泉を安全に楽しむ入浴のポイント

温泉は心身を休める時間になりますが、入り方を誤ると、のぼせや脱水、立ちくらみにつながることがあります。特に旅行中は、移動による疲れや飲酒の影響を受けやすいため注意が必要です。

湯温や泉質だけでなく、その日の体調を基準に入浴方法を調整しましょう。

入浴前後の水分補給と休息

入浴中は汗をかき、自分で思っている以上に水分を失うことがあります。特に起床直後や移動後などは体内の水分が不足している場合もあるため、入浴前にコップ1杯程度の水分を取っておくと安心です。水やお茶などを一度に大量に飲むのではなく、無理のない量をゆっくり飲みましょう。

入浴後も水分を補い、着替えてから30分ほど静かに休むことが勧められています。すぐに次の入浴や飲酒へ移ると、体への負担が重なります。温泉旅行では何度も入りたくなりますが、入浴の間隔を空け、めまいや疲れがないことを確かめてから楽しんでください。

かけ湯と無理のない入浴時間

浴槽へ入る前には、手足など心臓から遠い場所からかけ湯を行い、湯の温度に体を慣らします。急に肩まで浸かると血圧が大きく変化することがあるため、足元からゆっくり入ることが大切です。浴槽から出るときも、立ちくらみを防ぐため、手すりなどを使ってゆっくり立ち上がりましょう。

入浴時間は、湯温や体調によって異なります。一般的な目安としては、初めは1回3~10分程度とし、慣れてきたら15~20分程度まで延ばすとよいでしょう。額に汗が出る、動悸がする、頭がぼんやりするといった変化があれば、時間にかかわらず湯から出て休んでください。

飲酒後・体調不良時の入浴回避

飲酒後は血圧が変動しやすく、判断力も低下するため、転倒や溺水の危険が高まります。飲酒量が少ない場合でも、お酒を飲んだあとの入浴は避けましょう。食事の直前・直後や激しい運動をした直後も体への負担が大きいため、時間を空けて休んでから入浴することが勧められます。

発熱しているとき、病気の症状が強いとき、激しい疲労や息苦しさがあるときも入浴には向きません。旅行中は予定どおりに温泉を楽しみたくなるものですが、入浴せずに休む判断も必要です。浴槽内で気分が悪くなった場合は、周囲へ助けを求めながら、できるだけゆっくり湯から出てください。

持病がある場合の医師への相談

次のような方は、42℃以上の高温浴を避けることが勧められています。

 ・高血圧症の方

 ・心臓病のある方

 ・脳卒中を経験した方

 ・高齢の方

また、重い心臓・肺・腎臓の病気がある場合や、慢性疾患が急に悪化している時期には、温泉入浴が適さないこともあります。治療中の病気がある方は、旅行前に主治医へ湯温や入浴時間の目安を相談しておくと安心です。

高齢の方や子ども、体が不自由な方は1人での入浴を避け、家族や同行者が様子を見られる環境を整えましょう。浴場に掲示された禁忌症や注意事項にも、入浴前に目を通してください。

湯郷温泉の泉質と楽しみ方

泉質の特徴を知ったあとは、実際に訪れる温泉地の成分や過ごし方にも目を向けてみましょう。岡山県美作市にある湯郷温泉は、美作三湯の1つとして親しまれてきた温泉地です。温泉へ入る時間だけでなく、宿での休息や食事も含めて、ゆったりと滞在を楽しめます。

湯郷温泉の泉質と特徴

湯郷温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物泉です。前述した塩化物泉に分類され、入浴後も温かさが続きやすいとされる特徴があります。別名「鷺の湯」としても知られ、岡山県を代表する温泉地の1つとして長く受け継がれてきました。

同じ温泉地であっても、利用する源泉や湯の管理方法などによって、浴槽内の湯の状態は異なります。入浴前には、利用する施設に掲示された温泉分析書や注意事項を確認しましょう。効能だけを目的に何度も入るのではなく、休息を挟みながら、自分のペースで湯郷温泉を味わうことが大切です。

季譜の里で楽しむ温泉

季譜の里では、開放感のある露天風呂や、庭園を眺められる浴場で湯郷温泉をお楽しみいただけます。季節の移ろいを感じながら湯に浸かる時間は、日常の慌ただしさから離れ、ゆっくりと気持ちを切り替えたいときにもおすすめです。ご家族やご夫婦で利用できる貸切露天風呂もご用意しています。

一部のスイートルームでは、源泉100%の湯を客室内でお楽しみいただけます。客室にいながら入浴でき、そのままお部屋で休めるため、移動を少なくして静かに過ごしたい方にも適しています。温泉だけでなく、庭園や季節の花、旬の食材を使ったお料理も含めて、心ほどける時間をお過ごしください。

まとめ | 温泉の効果を知り心地よく楽しもう

温泉では、温熱による血行促進、水圧や浮力による体への作用、温泉地の環境による気分転換など、複数の働きが期待できます。また、療養泉は10種類に分けられ、泉質ごとに特徴や適応症が異なります。ただし、適応症は病気が必ず治ることを示すものではありません。体調や持病を考慮しながら、入浴時間や回数を無理のない範囲に調整することが大切です。

岡山県美作市の湯郷温泉では、ナトリウム・カルシウム塩化物泉をお楽しみいただけます。季譜の里では、露天風呂や庭園を望む浴場、貸切露天風呂、一部客室の温泉をご用意しています。温泉と穏やかな休息を重ねながら、四季の彩りに包まれる滞在をお楽しみください。

 

季譜の里の温泉(ナトリウム・カルシウム塩化物泉)を見る

 

2026.07.18  スタッフブログ

先日、サービス部の竹内・池上が、吉備中央町にある宮木牧場を訪れ、自然栽培で育てられたとうもろこしの収穫作業を体験させていただきました。

季譜の里では、お客様へお料理をご提供するだけでなく、食材がどのような環境で育ち、生産者の皆さまがどのような想いで向き合っているのかを知ることも、おもてなしにつながる大切な学びだと考えています。

 

当日は、広大な畑でとうもろこしの収穫から選別・出荷準備までを体験し、自然栽培についてのお話も伺いました。

一つひとつ丁寧に育てられたとうもろこしは、自然の恵みをたっぷりと受け、みずみずしく、しっかりとした甘みが印象的でした。

実際に畑に立ち、生産者の皆さまのお話を伺いながら作業をすることで、普段何気なく扱っている食材の背景やその価値を改めて実感する貴重な機会となりました。

 

季譜の里では、地域の生産者の皆さまとのつながりを大切にしながら、食材そのものだけでなく、その背景にある物語も含めてお客様へお届けしたいと考えています。

今回学ばせていただいたことを日々のおもてなしに生かし、地域の魅力をより深く感じていただける宿を目指してまいります。

宮木牧場の皆さま、このたびは貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。

2026.07.17  スタッフブログ

「湯治という言葉は聞いたことがあるものの、一般的な温泉旅行と何が違うのだろう」「どのくらいの期間、どのように過ごすのだろう」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。湯治は、温泉へ一度入るだけではなく、温泉地に滞在しながら入浴や休息を重ね、心身をいたわる日本の保養・療養文化です。古い習慣のように思えるかもしれませんが、現代の旅行にも取り入れられる考え方があります。

 

今回の記事では、湯治の意味や歴史、一般的な温泉旅行との違い、昔ながらの滞在期間と過ごし方をわかりやすく解説します。さらに、数日間の旅行でも取り入れやすい現代的な過ごし方や、安全に温泉を楽しむためのポイントも紹介します。日常から少し離れ、温泉地でゆっくり休む旅に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。

 

湯治の意味と受け継がれてきた背景

湯治は、日本の温泉文化のなかで長く受け継がれてきた滞在方法です。時代とともに利用する人や宿の形は変わりましたが、温泉地に身を置き、日常から離れて体を休める考え方は現在にも残っています。

まずは、湯治の基本的な意味と歴史的な背景を解説していきます。

 

温泉地に滞在する保養・療養

湯治は、温泉地へ一定期間滞在し、温泉を利用しながら体を休める過ごし方です。古くは病気やけがの療養を目的とすることもありましたが、農閑期などに疲れた体を休め、次の仕事へ備える保養としても行われてきました。

大切なのは、1回の入浴だけで結果を求めるのではなく、食事や睡眠を含めて穏やかな生活を送ることです。ただし、温泉は医療行為の代わりになるものではありません。治療中の病気や強い症状がある場合は、医師の診療や指示を優先しましょう。

日本で受け継がれてきた湯治文化

日本では古くから温泉が利用され、『日本書紀』などにも天皇や皇族が温泉地へ滞在した記録が残っています。湯治は公家や僧侶、武家へ広がり、近世になると庶民も温泉地を訪れるようになりました。療養だけでなく、人との交流や土地を訪ねる楽しみも含んだ文化として受け継がれてきたとされています。

明治以降は温泉の成分分析や行政による管理が進み、交通網の発達とともに観光地としての性格も強まりました。長期滞在を中心とした温泉地から、短い休暇で温泉や料理を楽しめる場所へ変化した地域もあります。それでも、温泉地に滞在して休養するという考え方は、形を変えながら現在まで残っています。

 

湯治場と湯治宿の役割

湯治場とは、湯治を目的とする人々が滞在してきた温泉地を指します。湯治宿は、温泉地で一定期間生活できるよう、宿泊の場所を提供してきた施設です。長期滞在を想定し、客室や温泉など、生活に必要な環境を整えた宿もあります。

湯治場や湯治宿の形は、地域や時代によってさまざまです。現在も昔ながらの自炊型湯治宿は残っていますが、食事付きや短期滞在に対応する宿も見られます。「湯治宿」という名称だけで判断せず、宿泊できる日数や食事、客室、温泉の利用方法を確かめることが大切です。

 

湯治と一般的な温泉旅行の違い

湯治と温泉旅行は、どちらも温泉地へ滞在する点では共通しています。一方で、主な目的や日数、宿での生活には違いがあります。ただし、現在は両者を明確に分けられない滞在方法も増えています。

まずは、昔ながらの湯治を基準にした主な違いを一覧で確認しましょう。

 

項目 昔ながらの湯治 一般的な温泉旅行
主な目的 入浴と休息を重ねて体を休める 温泉に加え料理・観光・景色も楽しむ
滞在期間 1週間以上が目安 1泊2日・2泊3日など短期が中心
宿泊・食事 簡素な客室や自炊が基本のことも 1泊2食・客室清掃などが一般的

 

療養と観光で異なる滞在目的

昔ながらの湯治では、温泉を利用しながら体を休めることが滞在の中心です。観光地を数多く巡ったり、豪華な食事や催しを楽しんだりすることよりも、入浴、食事、睡眠を穏やかなペースで重ねることが大切にされてきました。

一方、一般的な温泉旅行では、温泉に加えて料理や観光、買い物、季節の景色なども旅の目的になります。どちらが優れているというものではなく、旅行へ求めるものが異なるだけです。旅館で食事や客室を楽しみながら、観光予定を控えめにして休むなど、通常の温泉旅行へ湯治の考え方を取り入れることもできます。

 

滞在期間は1週間以上が目安とされる

湯治は、少なくとも1週間以上滞在するものとして説明されることが多く、7日間を1つの区切りとする考え方も伝えられてきました。時代や地域によっては、7日間を3回繰り返す21日間や、2〜3週間ほど温泉地で過ごすこともあったとされています。

一般的な温泉旅行では、1泊2日や2泊3日などの短い日程も選ばれています。仕事や家事の合間に計画しやすい反面、宿で休める時間は限られるでしょう。長く泊まることだけが湯治の条件ではありませんが、本来の湯治は、日常生活から一定期間離れて体を休める滞在でした。

 

宿泊スタイルと食事の違い

昔ながらの湯治宿では、長期滞在の費用を抑えやすい簡素な客室や、素泊まりを基本とする宿泊形態が見られました。布団の上げ下ろしや身の回りのことを宿泊者自身が行うなど、一般的な温泉旅館より提供されるサービスが限られる場合もあります。

温泉旅館では、夕食と朝食が付いた1泊2食のプランや、アメニティ、客室清掃などが用意されるのが一般的です。現在では湯治宿にも食事付きのプランがあり、通常の旅館にも連泊向けのプランがあります。予約前には、料金に含まれる食事や清掃、寝具、温泉設備などを確認しておきましょう。

昔ながらの湯治の過ごし方

昔ながらの湯治では、温泉へ入り続けるのではなく、入浴の合間に休息を取り、食事や睡眠を含めた生活をゆっくり送っていました。自炊や共同設備の利用など、長期滞在ならではの習慣もあります。当時の基本的な過ごし方を3つに分けて紹介します。

 

入浴と休息を繰り返す生活

湯治中は、体調を見ながら温泉へ入り、その後は部屋で休むという流れを繰り返します。温泉へ何度も入ること自体が目的ではなく、体を疲れさせない範囲で入浴と休息の時間を取ることが大切にされてきました。体調が優れない日は、入浴を控えて休むことも必要です。

入浴していない時間は、横になったり、身の回りのことをしたりしながら静かに過ごします。具体的な入浴回数や時間は、泉温や泉質、年齢、その日の体調によって異なります。昔の慣習をそのまままねるのではなく、現在利用する施設の案内に従いましょう。温泉ごとの特徴については、<a href=”#”>温泉の効果や泉質別の効能を解説した記事</a>もあわせてご覧ください。

自炊を中心とした滞在

自炊型の湯治宿では、共同炊事場などを使い、宿泊者が自分の食事を用意します。米や野菜、調味料を持参するほか、温泉地の商店で食材を買うこともありました。外食や会席料理を毎日利用するより費用を抑えやすく、体調や食欲に合わせて献立を変えられる点も長期滞在に適しています。

現在もすべての湯治宿に炊事設備があるわけではありません。調理器具や食器、冷蔵庫の有無、食材を購入できる店までの距離も施設によって異なります。自炊で滞在する場合は、予約前に設備と利用ルールを確認し、無理なく食事を用意できるか考えておくことが大切です。

長期滞在を支えた共同生活

昔ながらの湯治宿には、共同浴場や炊事場など、複数の宿泊者が同じ設備を利用する施設がありました。長く滞在する人同士が顔を合わせ、温泉や地域での生活について言葉を交わすことも、湯治場で過ごす時間の一部だったと考えられます。

共同設備では、利用時間や清掃、音への配慮が欠かせません。現在の湯治宿でも、炊事場や浴場の使い方は施設ごとに決められています。共同設備を使う滞在に慣れていない方は、客室や炊事場の使い方を事前に確かめ、自分が無理なく過ごせる宿を選びましょう。

現代に取り入れやすい湯治の過ごし方

長い休暇を取りにくい現在では、昔ながらの湯治をそのまま行うのは簡単ではありません。そのため、短期間の滞在で温泉や休息を楽しむ「プチ湯治」「現代湯治」という言葉も使われています。

伝統的な形にこだわらず、暮らしに取り入れやすい過ごし方を見ていきましょう。

 

短期滞在で楽しむプチ湯治

「プチ湯治」や「現代湯治」は、記事や施設によって期間や内容が異なり、統一された公的な定義はありません。なかには、2〜3泊程度の短期滞在で、観光よりも温泉や休息を重視する過ごし方もあります。1週間以上の休みを取りにくい方でも、まとまった休息の時間を確保しやすい方法です。

短い滞在だからこそ、移動に時間をかけすぎず、宿へ早めに到着できる日程を組むとよいでしょう。温泉へ入る回数や現地での予定も、事前に細かく決める必要はありません。宿で過ごせる時間を十分に確保することが、落ち着いた滞在につながります。夫婦や家族でゆっくり過ごす旅としても取り入れやすく、<a href=”#”>夫婦で楽しむ温泉旅行の過ごし方</a>もあわせて参考にできます。

食事付き旅館での滞在

自炊が負担に感じる場合は、夕食や朝食が付いた旅館へ泊まり、温泉や休息に時間を使う方法があります。食事の支度や片付けをせずに済むため、短い休暇でも落ち着いて過ごしやすくなるでしょう。料理の量や内容を選べる宿なら、食欲や好みに合うプランを検討できます。

昔ながらの自炊型湯治とは宿泊形態が異なりますが、日常から離れてゆったり過ごすという考え方は取り入れられます。食事時間が決まっている場合は、その前後に予定を詰め込まないこともポイントです。宿で何をするかではなく、どのように休めるかを基準に選びましょう。

散策や読書を取り入れた休息

現代的な湯治では、入浴していない時間を読書や散策、昼寝などに使えます。温泉街を短く歩き、土地の空気に触れる程度であれば、体調に合わせて気分転換を楽しめます。客室で本を読んだり、庭や景色を眺めたりする時間も、慌ただしい毎日から気持ちを切り替える過ごし方です。

休むための旅行で観光予定を増やしすぎると、かえって疲れることがあります。歩く距離や立ち寄る場所は体調に合わせ、何もしない時間も残しておきましょう。仕事の連絡や情報収集から離れたい場合は、スマートフォンを見る時間を意識して減らす方法もあります。

 

湯治を安全に行うためのポイント

湯治では複数回の入浴を行う場合があるため、体調と温泉の特徴を踏まえた安全管理が欠かせません。特に持病がある方や高齢者は、自己判断で入浴回数を増やさないことが大切です。安全に楽しむため、次の3つを事前に押さえておきましょう。

 

  • 持病や体調に応じて医師へ相談する
  • 温泉分析書の禁忌症・適応症を確認する
  • 水分を補給し、無理のない時間で入浴する

 

持病や体調に応じた医師への相談

治療中の病気がある方や、入浴による体調変化が心配な方は、湯治へ出かける前に主治医へ相談しましょう。心臓や肺、腎臓などに重い病気がある場合や、慢性疾患の症状が強く出ている時期には、温泉入浴が適さないことがあります。

医師へ相談する際は、訪れる温泉の泉質や湯温、宿泊日数を伝えておくと、入浴方法について相談しやすくなります。現地で発熱、息苦しさ、強い疲労などが生じた場合は、予定していた入浴を中止してください。湯治は我慢して続けるものではなく、体調を優先することが基本です。

 

泉質と禁忌症・適応症の確認

温泉施設には、泉質や成分、禁忌症、適応症、入浴上の注意などを記載した掲示があります。適応症は、温泉へ入れば病気が必ず治ることを示すものではありません。一方、禁忌症は入浴を避けた方がよい病気や状態を示しているため、入浴前に目を通す必要があります。

同じ温泉地でも、利用する源泉や浴槽によって泉質や湯温が異なる場合があります。以前訪れたことのある温泉地でも、施設ごとの掲示を確認しましょう。泉質ごとの特徴や適応症は、<a href=”#”>温泉の泉質別の効能を解説した記事</a>で詳しく紹介しています。治療中の病気がある方は、泉質の特徴だけで判断せず、医師の指示を優先してください。

水分補給と無理のない入浴

温泉へ入る前、とくに起床直後などは、脱水を防ぐためコップ1杯程度の水分を取っておきましょう。入浴開始後の数日間は1日1〜2回を目安とし、慣れてから2〜3回へ増やしてもよいとされています。1回の入浴時間も、初めは3〜10分程度が目安です。

食事の直前・直後や飲酒後、激しく疲れているときの入浴は避けてください。入浴中にめまいや気分不良を感じた場合は、周囲へ助けを求めながらゆっくり浴槽から出ます。昔ながらの入浴回数を無理に再現せず、施設の案内とその日の体調に合わせましょう。

湯郷温泉で心身を休める過ごし方

岡山県美作市の湯郷温泉では、宿で温泉や休息を楽しみながら、温泉街をのんびり散策できます。昔ながらの長期自炊型湯治に限らず、食事付きの旅館へ数日滞在し、日常から離れてゆっくり過ごす方法も選べます。湯郷温泉と季譜の里での滞在例を紹介します。

湯郷温泉で重ねる入浴と休息

湯郷温泉では、宿の大浴場や露天風呂で温泉を楽しみ、客室でゆっくり休む時間を持てます。温泉街には足湯や湯神社、からくり時計などがあり、体調に余裕があるときは短い散策を加えることも可能です。遠くの観光地をいくつも巡らなくても、温泉地らしい雰囲気に触れられます。

散策の途中で足湯や日帰り温泉を利用する場合は、宿の入浴時間とのバランスも考えましょう。体調に合わせて立ち寄る場所を選び、疲れを感じたら宿へ戻って休むことが大切です。各施設の営業状況や利用時間は変わる場合があるため、訪問前に最新の公式情報をご確認ください。

季譜の里で過ごす穏やかな時間

季譜の里では、石畳の露天風呂や庭園を望む大浴場、貸切露天風呂などで湯郷温泉をお楽しみいただけます。源泉100%の湯を楽しめる温泉スイートもあり、客室で入浴したあと、そのままお部屋で休みたい方にもお選びいただけます。館内に生けた季節の花や庭の景色も、穏やかな滞在を彩ります。

昔ながらの自炊型湯治宿とは異なり、当館では旬の食材を使った会席料理をご用意しています。予定を詰め込まず、温泉や食事、睡眠をゆっくり楽しみながら、自分のペースでお過ごしいただけます。日常の喧騒を離れ、心を休める時間をお過ごしください。

まとめ | 湯治を現代の暮らしに取り入れよう

湯治は、温泉地に一定期間滞在し、温泉を利用しながら心身をいたわる日本の保養・療養文化です。昔ながらの湯治では、1週間以上の滞在や自炊型の生活が行われてきました。一方、現在は数日間の滞在や食事付きの旅館を利用し、温泉地でゆっくり休む過ごし方もあります。形だけをまねるのではなく、自分の体調や生活に合う方法で取り入れることが大切です。

季譜の里では、露天風呂や庭園浴場、貸切露天風呂、温泉スイート、旬の会席料理をご用意しています。温泉に浸かり、季節の花を眺め、食事と睡眠をゆっくり楽しむ時間を通して、日常から少し離れていただけます。湯郷温泉で心を休める滞在をお考えの際は、ぜひ季譜の里へお越しください。

 

湯治の湯・季譜の里の温泉を見る

 

2026.07.09  お料理のご紹介

夏の季譜の里では、鮎や鱸(すずき)、新しょうがなど、この季節ならではの旬の食材を取り入れた「季節の花会席」をご用意しております。

初めて季譜の里をご利用いただくお客様にもおすすめしている基本会席で、岡山の山・川・海、それぞれの恵みを一度にお楽しみいただける内容です。

涼を感じる、夏のお造り

まずご用意するのは、鱸の洗い、甘海老などを盛り込んだ「氷のドームのお造り」。

氷に包まれた一皿は、見た目にも涼やか。夏の暑さを忘れさせてくれるような、季節感あふれる一品です。

夏を代表する味覚「鮎」

焼物には、香ばしく焼き上げた鮎の塩焼きをご用意しております。

ふっくらとした身と、鮎ならではの爽やかな香り。シンプルな塩焼きだからこそ、旬の美味しさを存分に感じていただけます。

季節を映す八寸

季節の八寸には、夏の食材を少しずつ盛り込みました。

一品ずつ異なる味わいや彩りを楽しみながら、料理人が表現する夏の季節感をご堪能いただけます。

特選和牛の石焼き

会席の中ほどでは、特選和牛の石焼きをご用意しております。

お客様ご自身でお好みの焼き加減に仕上げていただき、和牛ならではの旨みと香ばしさをお楽しみください。

夏の締めくくりは「新しょうが鯛御飯」

お食事には、新しょうが鯛御飯をご用意しております。

炊き立てのご飯に広がる新しょうがの爽やかな香りと、鯛の上品な旨み。夏らしい清々しさを感じる締めくくりの一品です。

※7月23日からは旬を迎える玉蜀黍(とうもろこし)の御飯をご用意いたします。

夏だけの味わいを、季譜の里で

「季節の花会席」は、その時季にしか出会えない旬の食材を大切にしながら、一皿一皿丁寧に仕立てています。

夏の訪れを感じる鮎、涼を演出する氷のお造り、季節を映す八寸、新しょうがの香り。

料理を通して、岡山の夏をゆっくりと味わうひとときをお楽しみいただければ幸いです。

プランの詳細・ご予約はこちら
https://reserve.489ban.net/client/kifunosato/0/detail/433810