温泉の入り方は?基本の順番や時間・回数・マナーを解説
「温泉では先に体を洗うべき?」「タオルはどこに置けばいい?」「何分くらい入ればいいのだろう」など、温泉の入り方に迷った経験がある方もいるのではないでしょうか。家庭のお風呂とは違い、多くの人が利用する温泉では、入浴の順番やタオル・髪の扱いなど、知っておきたい基本的なマナーがあります。
温泉を気持ちよく楽しむためには、入浴前の水分補給からかけ湯、湯船への入り方、入浴後の休息まで、一連の流れを押さえておくことがポイントです。また、長湯や無理な繰り返し入浴を避け、その日の体調や湯温に合わせることも欠かせません。
今回の記事では、温泉の基本的な入り方と順番、入浴時間や回数の目安、タオルや髪などのマナー、入浴時の注意点をわかりやすく解説します。温泉旅行を安心して楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
温泉の基本的な入り方と順番

温泉を気持ちよく楽しむには、湯船に入る前から順番を意識することが大切です。家庭のお風呂とは異なり、多くの人が同じ浴槽を利用するため、体を清潔にするとともに、湯温へゆっくり慣らしていく必要があります。温泉による心身への働きや泉質ごとの特徴について詳しく知りたい方は、「温泉の効果とは?心と体への働きや泉質別の効能を解説」もあわせてご覧ください。
入浴前の水分補給
温泉に入る前は、のどが渇いていなくても水分を取っておくと安心です。入浴中は体が温まり、汗をかくことで体内の水分が失われます。環境省が示す温泉の利用上の注意でも、脱水を避けるため、入浴前にコップ1杯程度の水分を補給することが示されています。
特に起床後すぐや、長時間移動した後は、水分不足になっていないか意識してみましょう。一度に大量に飲む必要はなく、水などを無理のない量でゆっくり飲めば十分です。宿へ到着してすぐ温泉へ向かいたい場合も、先にひと息ついて水分を取ってから浴場へ向かうとよいでしょう。
かけ湯と洗体の順番
浴槽に入る前は、まずかけ湯をして体を湯温に慣らします。いきなり肩や胸に熱い湯をかけるのではなく、足元や手先など心臓から遠いところから少しずつかけていきましょう。かけ湯には体を温度に慣らすだけでなく、汗や汚れを流す意味もあります。
共同の浴槽を利用するため、基本的には洗い場で体の汚れを落としてから湯船へ入ります。シャワーだけで済ませてすぐに湯船へ入るのではなく、かけ湯を挟むことで温度差にも対応しやすくなります。施設ごとに入浴方法の案内がある場合は、その内容を確認したうえで利用しましょう。
足元からゆっくり湯船につかる
かけ湯と洗体を終えたら、足元からゆっくりと湯船に入ります。湯温が高い場合もあるため、勢いよく肩までつからず、まずは下半身から入り、体を慣らしながら深くつかるとよいでしょう。熱さを強く感じる場合は、無理に肩までつかる必要はありません。
湯船から出るときも、急に立ち上がるのは避けます。ゆっくり体を起こし、手すりがある場合は利用しながら安全に移動しましょう。床や浴槽の周辺は滑りやすいこともあるため、入浴中だけでなく出入りするときまで落ち着いて動くことがポイントです。
温泉に入る時間と回数の目安
温泉は長時間入ったり、何度も繰り返したりすればよいわけではありません。適した入浴時間や回数は、湯温や泉質、年齢、その日の体調によって変わります。数字はあくまで目安として捉え、初めて訪れる温泉では短めの入浴から始めながら、無理のない範囲で楽しみましょう。
1回あたりの入浴時間
環境省の基準では、1回の入浴時間は湯温によって異なり、最初は3〜10分程度、慣れてきた場合は15〜20分程度まで延長してもよいとされています。ただし、15〜20分まで入ることを勧めるものではありません。熱い湯では短時間でも体が温まりやすいため、長湯は避けましょう。
特に高齢者については、消費者庁が入浴事故を防ぐための目安として、湯温41℃以下、入浴時間10分までを示しています。年齢にかかわらず、めまいや気分の悪さなど普段と異なる変化を感じた場合は、時間にこだわらず早めに浴槽から出てください。
1日に入る回数の目安
旅行先では朝・夕・夜と何度も温泉を楽しみたくなることがありますが、回数を増やすこと自体が目的にならないようにしましょう。環境省の基準では、入浴開始後数日間は1日1〜2回とし、慣れてきた場合は2〜3回まで増やしてもよいとされています。
ただし、一般的な温泉旅行で2〜3回まで入浴する必要があるという意味ではありません。その日の予定や疲れ具合を考えながら、心地よく過ごせる回数に調整してください。温泉に何回入るかについて詳しく知りたい方は、「温泉は1日に何回入るのがよい?入浴回数の目安やタイミングを解説」の記事も参考にしてみてください。
複数回入浴するときの休憩
1日に複数回温泉へ入る場合は、浴槽を出てすぐに次の入浴を始めず、間に休憩を挟みます。入浴後は体が温まり、普段とは体の状態が変化しているため、落ち着くまで客室や休憩スペースなどでゆったり過ごしましょう。
宿泊中なら、温泉の合間に食事や読書、客室での休息を取り入れると、入浴だけに予定が偏りにくくなります。次の入浴までに水分も補給し、疲れが残っている場合は予定していた入浴を見送っても構いません。回数をこなすよりも、余裕を持った過ごし方を優先しましょう。温泉だけで予定を埋めず、食事や読書、客室でくつろぐ時間も楽しみたい方は、「おこもりステイとは?温泉宿での過ごし方や楽しみ方を解説」も参考にしてみてください。
温泉で守りたい基本的なマナー

温泉では、自分が心地よく過ごすだけでなく、一緒に利用する人への配慮も欠かせません。難しい作法を覚える必要はありませんが、タオルや髪の扱い、洗い場での振る舞いなど、共同浴場ならではの基本があります。お互いが気持ちよく過ごせるよう、よくある場面ごとのマナーを押さえておきましょう。
- タオルは湯船に入れない
- 長い髪は湯船につけない
- 洗い場やシャワーは周囲に配慮して使う
- 浴室・脱衣所ではスマートフォンを使わない
- 脱衣所へ戻る前に体の水分を拭く
湯船に入れないタオルの扱い
浴室へ持ち込む小さなタオルは、基本的に湯船の中へ入れません。体を洗ったり移動中に使用したりするタオルを浴槽へつけないことは、多くの温泉で共通するマナーです。入浴中はタオル置き場を利用するか、邪魔にならない場所へ置きましょう。
頭の上に載せている人もいますが、湯へ落とさないよう注意が必要です。また、浴槽の縁に広げて置くと、ほかの利用者の邪魔になる場合があります。施設によってタオルの扱いに関する案内が掲示されていることもあるため、浴場へ入った際に確認しておくと安心です。
湯船につけない長い髪
髪が長い方は、毛先が湯船につかないようにまとめてから入浴します。髪を下ろしたまま湯船へ入ると、本人が気づかないうちに毛先が湯についたり、周囲へ広がったりすることがあります。
ヘアゴムやヘアクリップなどを用意しておくと、入浴中もまとめやすくなります。髪を洗った後に再び湯船へ入る場合も、同様に毛先がつかないようにしましょう。タオルを髪に巻く場合は、タオルそのものが湯につかないよう配慮します。性別に関係なく、湯につく長さの髪であればまとめておくのが基本です。
周囲に配慮した洗い場やシャワーの使い方
洗い場では、シャワーの水や石けんの泡が隣の人にかからないように使います。立ったまま勢いよくシャワーを浴びると水が広がりやすいため、周囲の状況を見ながら利用しましょう。体や髪を洗い終えた後は、泡が残らないようきれいに流します。
混雑時に洗い場へ私物を置いたまま離れると、次に使いたい人が利用できなくなります。使い終わった椅子や洗面器などは軽く流し、元の位置へ戻しておくと親切です。自分が使うときだけでなく、次に利用する人のことまで考えると、自然と周囲へ配慮した使い方になります。
浴室や脱衣所でのスマートフォンの扱い
浴室や脱衣所では、スマートフォンやカメラの使用を禁止している施設が多くあります。撮影するつもりがなくても、周囲からはカメラを向けているように見える可能性があるため、スマートフォンは客室やロッカーにしまい、浴室や脱衣所では操作しないようにしましょう。
景色のよい露天風呂などを撮影したい場合も、自己判断で撮るのは避けます。撮影可能な場所や時間を施設が設けている場合は、そのルールに従ってください。温泉は多くの人が衣服を脱いで過ごす場所だからこそ、プライバシーへの配慮を優先することが重要です。
脱衣所に戻る前の体の水分
温泉から上がったら、浴室を出る前にタオルで体の水分を軽く拭き取ります。体が濡れたまま脱衣所へ戻ると床が濡れ、足を滑らせる原因になったり、ほかの人の荷物を濡らしたりすることがあります。
浴室内で完全に体を乾かす必要はありません。小さなタオルなどで大まかに水分を取ってから脱衣所へ移り、改めてバスタオルで体を拭けば十分です。自分だけでなく、後から利用する人が安全に歩ける状態を保つためにも、浴室を出る前のひと手間を意識しましょう。
温泉に入るときの注意点
基本的な入り方やマナーを知っていても、体調が整っていなければ温泉を十分に楽しめないことがあります。特に、食事や飲酒とのタイミング、持病や服薬の状況、高温の湯や外気との温度差には注意が必要です。旅行中は普段より疲れがたまりやすいため、「せっかく来たから」と無理をせず、その日の状態に合わせて判断しましょう。
食事や飲酒と入浴のタイミング
食事の直前・直後や飲酒後の入浴は避けましょう。環境省が示す温泉利用上の注意でも、食事の直前・直後と飲酒後の入浴を避け、特に酩酊状態では入浴しないことが示されています。旅行では夕食やお酒と温泉を一緒に楽しむ機会も多いため、あらかじめ入浴する時間を考えておくと安心です。
お酒を飲んだ後に「少しだけなら」と浴場へ向かうのも避けてください。飲酒後は浴槽内で眠り込んだり、転倒したりする危険があります。夕食後もすぐに温泉へ入るのではなく、体を休めてから楽しむなど、食事と入浴の間に余裕を持たせましょう。
体調不良や持病がある場合の入浴
発熱や強い疲労感などがあるときは、無理に温泉へ入らないようにしましょう。環境省の基準では、過度に疲れているときには体を休め、運動後は30分程度休息してから入浴することが示されています。旅行中は移動や観光で思っている以上に疲れている場合もあります。
持病がある方や治療中の方は、浴場に掲示されている禁忌症や入浴上の注意も確認してください。服用している薬によって入浴時に注意が必要な場合もあるため、医師や薬剤師から指示を受けている場合は、その内容に従います。不安がある方は、旅行前に医師へ相談しておくと安心です。
高温の湯や急な温度差への注意
熱い温泉へ急に入ると体への負担が大きくなるため、かけ湯をしながら少しずつ湯温に慣らしましょう。特に寒い時期の露天風呂では、脱衣所や外気と湯船との温度差が大きくなることがあります。熱さを我慢して長時間つかる必要はありません。
環境省では、高齢者や高血圧症・心臓病のある方、脳卒中を経験した方について、42℃以上の高温浴を避けるよう示しています。該当しない方でも、熱さを強く感じたり体調に変化があったりする場合は、無理に入り続けないようにしてください。
温泉から上がった後の過ごし方

温泉は湯船から出たら終わりではありません。入浴後は体が温まっているため、すぐに外出したり次の予定へ移ったりせず、体調が落ち着くまで休む時間を設けましょう。また、上がり湯の要否は泉質や肌の状態によっても異なります。入浴後まで余裕を持って過ごすことで、温泉の時間をゆっくり楽しめます。
上がり湯の要否
温泉から上がる際、「シャワーで温泉を洗い流した方がよいのだろうか」と迷う方もいるでしょう。環境省の基準では、一般的には体に付着した温泉成分を温水で洗い流さず、水分を拭き取る方法が示されています。そのため、必ず上がり湯をする必要があるわけではありません。
一方で、肌が弱い方や温泉に入った後に刺激を感じる場合などは、洗い流した方がよいこともあります。浴場に泉質ごとの入浴方法が掲示されている場合は、その案内を確認しましょう。「温泉成分は必ず肌に残した方がよい」と決めつけず、自分の肌の状態にも合わせて判断してください。
入浴後の水分補給
入浴前に水分を取っていても、温泉から上がった後には改めて水分を補給しましょう。環境省の基準では、入浴後にもコップ1杯程度の水分補給が示されています。水などを無理のない量でゆっくり飲み、体を休めながら過ごしてください。
複数回温泉へ入る場合は、次の入浴までの休憩時間にも水分を取っておくと安心です。冷たい飲み物を一気に飲む必要はありません。客室や休憩スペースで落ち着きながら水分を補い、入浴後の体調を見ながら次の予定へ移りましょう。
入浴後の休息と湯冷め対策
温泉から上がった後は、すぐに外出したり激しく動いたりせず、体調が落ち着くまでゆっくり休みます。環境省の基準では、入浴後は着衣して保温し、30分程度の安静を心がけることが示されています。宿泊先であれば、客室や休憩場所でくつろぐ時間を取るとよいでしょう。
汗が残っているときは体をしっかり拭き、衣服を整えてから移動します。特に冬場は、温まった体で急に寒い場所へ出ると温度差が大きくなるため注意が必要です。入浴後の予定にも余裕を持たせ、温泉の余韻まで含めてゆったり過ごしてみてください。
まとめ | 基本の入り方を知って温泉を楽しもう
温泉では、入浴前に水分を取り、かけ湯で体を湯温に慣らしてから、ゆっくり湯船へ入るのが基本です。入浴時間や回数は長ければよいものではないため、湯温や泉質、その日の体調に合わせて無理のない範囲で楽しみましょう。また、タオルや長い髪を湯船につけない、洗い場では周囲に配慮するなど、共同浴場ならではのマナーも欠かせません。
食事の直前・直後や飲酒後、体調がすぐれないときには入浴を控え、高温の湯や温度差にも注意してください。入浴後は水分を補給し、体調が落ち着くまでゆっくり休むこともポイントです。
季譜の里では、湯郷温泉の湯とともに、宿でゆったりと過ごす時間をお楽しみいただけます。岡山・湯郷温泉への旅行をお考えの際は、基本的な入り方を参考にしながら、季譜の里で心ほどける温泉時間をお過ごしください。

