季譜の里のお花を生けてくださる黒田先生のお宅にお邪魔してきました。
湯郷温泉より北西へ約1時間、奥津温泉郷の少し南の山間に先生宅は位置します。
こちらでも季譜の里周辺同様、梅の花が見頃を迎えていて、
綺麗なピンク色の花弁が出迎えてくれました。
先生のお宅とお庭です。
丁寧に手入れされた庭は先生の自作で、もちろん剪定もご本人でされています。
当日はあいにくのお天気でしたが、
しっとりとした庭木の佇まいに落ち着きを感じるいい雰囲気でした。
お庭の一角に咲いていた花梅です。
実をつけない分、その花は通常の梅の花よりしっかりしていて綺麗。
まだほとんどが蕾でしたが、一輪だけだけ咲くその姿にも趣があります。
先生がいい枝を見つけてそっと差し出してくださいました。
雨が強くなってきたので、枝を持ってお家の中へお邪魔します。
玄関に入ると、そこにはさりげないお花の演出が。
季譜の里でよく目にする先生のお花も、ご自宅で拝見するとちょっと違う印象に。
梅に椿、南天の葉でシンプルに。
眺めていて自分も部屋に飾ってみたいなぁと感じました。
晴れたり降ったりの天気雨に、しばし室内からお庭を鑑賞する事に。
先生のちょっとしたこだわりのお話をお伺いしました。
それは庭石のお話。
こちらはご自宅に古くからある石だそうですが、実は水晶の原石が取れる岩盤のものだとか。
よく見ると、所々霜柱のように立った小さな水晶原石を見て取れます。
石表面の表情から大きさ、形まで先生の大のお気に入り。
上に花器を置いてあるのは、昔ここで水を溜めて手を洗っていた名残だそうです。
こちらは岡山の三大河川のひとつ、旭川上流にあったと言われる石だそうです。
その形に惚れ込み、庭を作る時に一番よく目につく、お気に入りの位置に持ってきたとか。
庭にとって石とは大切な存在で、その佇まいひとつでその一角の印象も随分と変わる…
先生のお話を聞いていて、庭と石の関係について改めて考えさせられました。
季譜の里のお庭も石に視点を置いて眺めると、また別の楽しみ方が出来そうです。
そうこうしていると雨が少し上がったのでお庭の方へ。
実は今回、この福寿草(ふくじゅそう)を見せていただくのが主な目的でした。
日が当たる時に花を開き、陰ると閉じる。
お天気の関係で花弁は開ききっていませんでしたが、
初春に花を咲かせる貴重な姿を拝見出来て良かったです。
お庭のお話を伺っていたお部屋には、立派なお雛様が飾ってありました。
湯郷温泉でも、明日からひな祭りが始まります。
次は桜のシーズン、お庭の木蓮が満開になる頃が景観も素晴らしいとの事なので、
その時を楽しみにお邪魔しようと思います。