昨日は生け花の生け替え日でした。
季譜の里では毎週月曜日と金曜日、週2階に分けて、
館内76ケ所のお花の模様替えをいたします。
今回はお花会場に少しお邪魔して来ました。
秋になると、椿や姫榊(ひさかき)などの枝葉が多く扱われます。
「夏には重たく、あつくるしくも感じたこれらは、秋になった途端すっと馴染む」
と黒田先生。
夏場はナツハゼなどの風通しの良い枝葉が気持ち良く感じられますが、
先生の言葉通り、涼しくなってくると椿の様な厚みのある葉を眺めるのが落ち着きます。
きっと人の感覚も四季と共にうつろいでいるのでしょう。
こちらは多年草のシぺラス。
元々は北アフリカは熱帯アフリカに分布する植物ですが、
すらっとした草姿と扇状に広がる花軸が涼しげで、水辺によく似合います。
日中はまだ暑さの残る9月にはピッタリでしょうか。
因みに古代エジプトではシぺラスの茎の葉をはいで、その繊維からパピルス紙がつくられました。
(シぺラスの学名はシぺラス・パピルス)
英語のPaper(紙)の語源はこのパピルスに端を発しているそうです。
リンドウの花。
色は紫ばかりと思っていたら、こんな色もあるんですね。
今ではすっかり自生のものを見なくなった気がしますが、
秋の晴天に花をさかせるリンドウは、昔はよく池や田畑のまわりで見かけた覚えがあります。
晩夏から秋にかけて咲くオミナエシ。
お彼岸の時期は切り花でよく見かけます。
先生もお墓参りの際は必ずといっていいほど持ってゆくお花だそうです。
秋らしい栗のイガもありました。
枝を付けたまま花材として用いたり、生け花にそっとそえて置いたりします。
青いイガがほんのり色付いているのを見ると、深まりゆく秋をしみじみと感じます。
お花会場にはこの他にも里山の秋がいっぱいでした。
生け花はお泊りの方も見学、体験出来ますので、
是非、生け替え日には黒田先生に会いにいらしてください。
季譜の里の生け花は、近隣の里山の草木、
黒田先生の自宅で育てられた花々で生けられております。
館内で湯郷は里山の四季を感じていただければ幸いです。